世界の賢人たちが描くAIの未来予測、9人目。日本から世界規模のAI投資を仕掛け、「人間の1万倍の超知能が10年以内に来る」と宣言した実業家がいます。ソフトバンクグループ創業者、孫正義氏です。

孫正義とは

孫正義氏(1957年〜)は、ソフトバンクグループの創業者であり、代表取締役 会長兼社長です。1981年にソフトバンクを設立し、インターネット黎明期にはYahoo! JAPANの立ち上げやアリババへの投資で大きな成功を収めました。

近年は、AI関連企業への大規模投資を次々と進めています。半導体設計大手のArmを傘下に収め、AIインフラへの巨額投資を決断するなど、AIを「情報革命の最終章」と位置づけ、全力で賭けに出ています。

AGIからASIへ——孫氏が描く未来

孫氏がAIの未来を語る場として知られるのが、毎年開催される「SoftBank World」の講演です。2024年の講演で、彼はAIの進化を次のように整理しました。

段階時期(予測)内容
ANI(特化型AI)現在特定の作業に特化したAI(画像認識、翻訳など)
AGI(汎用AI)2〜3年後人間と同等の知能をもつAI
ASI(超知能)10年以内人間の叡智の1万倍の知能をもつAI

孫氏が特に力を込めるのは、ASI(Artificial Super Intelligence=人工超知能)という概念です。AGI(人間並みのAI)は通過点にすぎず、その先に人間の1万倍の叡智をもつASIが来る——しかも、それは「遠い未来」ではなく「10年以内」だと言い切ります。

「知のゴールドラッシュ」と10億エージェント

孫氏は、ASIの到来がもたらす時代を「知のゴールドラッシュ」と表現しています。超知能が解き放つ知識と発見が、かつてのゴールドラッシュのように産業と社会を根本から変える、と。

さらに2025年7月の講演では、「グループ全体で、年内に10億のAIエージェントを作る」と宣言。続く2026年7月の講演では、2040年には100兆個のAIエージェントと10億台のヒューマノイドロボットが稼働する「ASI Economy(超知能経済)」が訪れるとのビジョンを示しました。

賛否はあるものの、孫氏の言葉には、みずからの資産と会社の未来をすべて賭けている人の迫力があります。「ただ予測する人」ではなく、「予測した未来を自分で作ろうとしている人」——それが孫正義氏です。

ひとこと

ASI Economy。孫氏のおかげて、沈みゆく日本はなんとかAIを駆使して未来を切り開いていけるのではないか。そんな希望を感じます。

次は、その超知能の開発をまさに最前線で率いている人物です。ChatGPTを世に送り出し、「知能の時代」の到来を宣言したOpenAI CEO、サム・アルトマン氏を見ていきます。

参考・引用元

  • SoftBank World 2024 孫正義 特別講演「超知性が10年以内に実現する」(2024年10月)
  • SoftBank World 2025 孫正義 特別講演(2025年7月)
  • SoftBank World 2026 孫正義 特別講演(2026年7月)

※本記事は、公開されている著書・資料をもとに、その内容を要約・紹介したものです。予測はあくまで各人物の見解であり、将来を保証するものではありません。